文:後藤健児
2026年2月21日(土) ~ 2月22日(日)の期間、東京・ユーロライブで第5回アジアンクィア映画祭が開催された。2013年の第4回開催以降、13年ぶりとなる。今回は韓国映画にフォーカスし、6本の優れた映画が上映された。
【上映作】
『イバンリのチャン・マノク!』(2024年)
『ソラスタルジア』(2024年)
『3670』(2025年)
『夏の日のカメラ』(2025年)
『二人-リハーサルのない人生–』(2022年)
『夢を見たと言って』(2025年)
『イバンリのチャン・マノク!』はソウルのレズビアンバーを経営する主人公が、母親の訃報を聞き、故郷の村へと戻るが、そこで村民たちとの確執や村社会の現実を思い知り、変えるために村長選挙に立候補する。都会と地方、それぞれに置かれるクィアの立場の違いを描きつつ(どちらか一方が正しいという描き方はしない)、世代や価値観を超えた友情を笑いたっぷりに綴る、人情ドラマ。
『夏の日のカメラ』は同性の少女に憧れる高校生が、亡き父が遺したカメラのフィルムに1人の男性が写っていたことを知り、大切なことを学んでいく。タイトル場面で主人公を中心にフレームが回転するのは『ダークナイト』でも見られた、重力(価値観、常識)からの解放を示す。

『3670』はゲイの若い脱北者が韓国のLGBTQコミュニティの中で自己を見つめ直す。筆者が観たクィア映画の中でも最も胸を打つといえるカムアウト場面は心にささった。自分もセクシャリティに関わらず、誰かから何かを告白された際、ああいう言葉を言える人間でありたいと思わされた。

その他の作品は残念ながら未見だが、どれもいまの韓国社会におけるクィアの存在を通して、人がその人らしく生きることを真摯に見つめた作品だったと聞く。
今回、13年ぶりの開催となったが、また近いうちに第6回目の開催を願う。
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