濱⼝⻯介監督17作品が一挙特集上映《突然、偶然、必然》

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巻頭写真 本特集の上映劇場のひとつとなる、東京・神保町シネマリス 

今年のカンヌ国際映画祭コンペティション部⾨に正式出品の『急に具合が悪くなる』(6月19日公開)を手がけた濱口竜介監督。この最新作と通底する過去作が一挙上映される特集企画が決まった。

【上映作品】
『何⾷わぬ顔(long version)』(2002年)
『PASSION』(2008年)
『永遠に君を愛す』(2009年)
『THE DEPTHS』(2010年)
『親密さ』(2012年)
『なみのおと』(2011年)
『なみのこえ 新地町』(2013年)
『なみのこえ 気仙沼』(2013年)
『うたうひと』(2013年)
『不気味なものの肌に触れる』(2013年)
『ハッピーアワー』(2015年)
『天国はまだ遠い』(2016年)
『寝ても覚めても』(2018年)
『偶然と想像』(2021年)
『ドライブ・マイ・カー』(2021年)
『Walden』(2022年)
『悪は存在しない』(2023年)  

 『何⾷わぬ顔』から『悪は存在しない』まで、濱口スタイルの変遷を追えるまたとない機会。配信やソフト化されていない作品も多く、第71回ベルリン国際映画祭で銀熊賞 (審査員グランプリ)を受賞した『偶然と想像』も普段はなかなか観る機会がない。
 かつてレンタルソフトが映画館以外で映画を観る手段としてはメインストリームだった頃、各レンタル店では作り手の特集が組まれ、作家史ひいては映画史を俯瞰することができた。現在はソフトや配信等、提供手段が多岐に渡り、結果としてひとつの場所に集約しづらくなってしまっている。だからこそ映画館における特集上映はいまの時代に重要な行事なのだ。
 そして、本特集に際して、濱口竜介監督からのコメントが発表された。

<本特集に寄せて>
「映画っつーのは、映画館で⾒るもんです」
これは今からはや 18 年前、⾃作『PASSION』のユーロスペースでの 1 ⽇限りの上映における舞台挨拶で、出演者の⼀⼈、渋川清彦さんが⼝にした⾔葉だ。聞いた当時も「そうだそうだ」と思ったものだが、ここまで反芻する⾔葉になるとは思わなかった。
今年、6/19 に予定されている新作の『急に具合が悪くなる』全国公開に合わせて、⾊々な劇場で、過去作の特集上映を組んでいただけることになった。こんなにありがたいことはない。どの作品もいつか、どこかで、誰かが⾒たらいい、ぐらいのことしか考えてはいなかったけれど、唯⼀、できれば映画館で⾒て欲しいと願っていた。そうでないと⾃分の映画は、きっとあまり⾯⽩くないと思う。
気づけば四半世紀、それなりに闇雲に、⾔ってみれば愚かに、映画づくりを続けてきた。
過去作のどの作品にもどこかしら、新作『急に具合が悪くなる』との類似点を⾒つけられるだろうけれど、それだけでなく、過去作同⼠が驚く(呆れる)ほど、似た相貌を⽰すこともある。それは単純に「ほかに⼿が思いつかない」という能⼒の限界を⽰すものだし、「次こそは、もっとうまくやれるかも知れない」と⾃分に期待をかけ続けた結果でもある。どの作品づくりも、⾃分の新たな愚かさを発⾒する旅だった。そんなものに付き合ってくれた、すべてのキャストとスタッフに、ただただ御礼を申し上げたい。もちろん、こうして映画を上映いただくすべての劇場、そして、そこまで来てくれる観客のあなたにも。本当に、ありがとうございます。
どうか、いい出会いがたくさんありますよう。
濱⼝⻯介 

「濱⼝⻯介監督特集上映《突然、偶然、必然》」はBunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、 シモキタ-エキマエ-シネマ K2、神保町シネマリス、京都出町座にて開催。